
保険事故が起こった場合に保険会社が支払う“保険金額”はあまり高額だと、犯罪に関わっているのではないかと疑われて契約が成立しないこともありますが、“生命保険”の場合には、保険金額は契約者の任意に設定することができ、損害の度合いに応じた定額の保険金が支払われます。
つまり相応の保険料さえ支払えばいざという時にもそれに応じた保険金を受け取ることができるのです。
これに対して“損害保険”の場合には、実際の損害に応じた“実損払い”が原則で“生命保険”とは全く違っています。
ではどうして“実損払い”なのかというと、“損害保険”には次の二つの原則があるからです。
その1つ目は“給付・反対給付均等の原則”といって、「保険会社に支払う保険料が実際の危険の度合いにあっていなければならない」というもので、具体的には「危険の度合=対象の価値×発生率」であるべきで保険料がこれよりも多くても少なくてもいけないということなのです。
“損害保険”の原則の2つ目は、“利得禁止の原則”といって、「保険で利益を得てはいけない」というもので、高額な保険を設定して実際の損害以上の保険金が支払われるようなことがあってはならないとされています。
実際に“損害保険”の1つである“火災保険”では、保険金が支払われるような事故がおきたとしても家の価値以上の保険金は支払われません。
そこで “保険金額”とは「保険事故が起こった場合に保険会社が支払う最高額」、“保険価額”とは「保険の対象となっているものの実際の価値」、“比例てん補”とは「“保険金額”が“保険価額”を下回っている“一部保険”の場合には“保険金額”の“保険価額”に対する割合で保険金が支払われること」という言葉の意味を頭において実際に時価3000万円の家に保険をかけている3人を比較してみましょう。
まず “保険価額” 3000万円の家に“保険金額”2000万円の保険をかけていて600万円の被害にあったAさんの場合は2000万円÷3000万円=66.6%で、その価が80%未満なので“一部保険”と言われますがこの場合“比例てん補”扱いになるので「」損害保険金=600万円×{2000万円÷(3000万円×0.8)}=500万円となって100万円は自己負担しなければなりません。
次に“保険価額” 3000万円の家に“保険金額”3000万円の保険をかけていて600万円の被害にあったAさんの場合は3000万円÷3000万円=100%で全額補償される“全部保険”となります。
そして最後に“保険価額” 3000万円の家に“保険金額”4000万円の保険をかけていて600万円の被害にあったAさんの場合は4000万円÷3000万円=133.3%で“超過保険”となりますが、600万円以上の保険金は支払われません。
保険Naviは、保険について解説しています。
"損害保険"1つである"海上保険"は海難事故などによる損害を補填するもので、積荷に保険をかける"貨物保険"と船舶に保険をかける"船舶保険"とが合わさったものです。

例えば"貨物保険"で言えば、輸入貨物に損害を発見したり運搬業者から事故や損害発見の連絡があった場合には、すぐに電話やFAXで保険会社に連絡します。
その際に、「保険証券の番号」「貨物名と数量」「船名と出帆日」「損害の原因と現状」「損害見込額」「被害にあった貨物が置かれている場所」「損害貨物の処置をどうするか」などを聞かれるので、手際よく答えられるようにしておきましょう。
また、保険会社への連絡と同時に運搬業者などに事故の通知をします。
次に保険会社は、報告のあった事故に対する調査を検査機関に依頼します。
これは原則として被保険者が手配することになっていますが、損害額が少ない場合や損害原因が明確な場合には調査会社への調査依頼は不要とされて、保険会社と被保険者との間で直接、損害数量の調査や仕分け方法、処分方法などについて協議して、妥当な損害額を決めます。
検査機関による立会調査においては、損害原因の調査や損害数量の調査、損害程度の確認が行われて、損品の処理方法や妥当な損害額が提示されます。
この際に被保険者は鑑定人に対して「貨物の損傷状況」などについて詳細に報告し、書類や情報提供の依頼があった場合には協力する義務があります。
ここまで終わると次は保険金の支払いですが、保険金請求に必要な書類を提出して保険会社の調査が最終的に終了した時点で、被保険者の指定口座に保険金が支払われます。
また、荷主が運搬業者に対してもっている損害賠償請求権は、保険金の受領と同時に保険会社に移行し保険会社は運搬業者に対して被保険者に代わって損害賠償を請求します。
このように運搬業者に責任追及して損害賠償金を回収することは保険会社にとってメリットがあるだけでなく、"運搬の質の向上"にもなりめぐりめぐって荷主にとってのメリットにもなると言われています。